保護っ子の医療費

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いたち(フェレット)

フェレットの保護活動ついに支援を募ることにした経緯

2020年8月19日

今までずっと、とある私の考えで頑なにしてこなかった「募金のお願い」を、いたちのおうちが初めてしました。

それを、状況に合わせて臨機応変に対応を考えた結果だと言ってしまえれば、すごく聞こえは良くなるのかもはしれないのですが、私はあくまでも「保護を必要とする子が出ないペット社会にしたい」んです。

それなのに…

「新型コロナウイルスの感染拡大に伴う巣ごもり需要による空前のペットブーム!!」だなんて言われ始めてから今日までずっと、想像してたよりずっと早い異常なペースで増え続ける保護件数に「追い付かなくなってきたから」という理由でだなんて不本意でした。

でも、これまでずっと協力してくださる個人ボラさん達の善意と好意だけで続けてこれていた活動ですから、その「出来ることを出来る人にお願いする」という形のままでは携わってくれている全員がパンクするしかない未来がもうすぐそこに現実問題として見えてしまった以上、このままではダメだと考えを改め、方針を変えました。

今日は、そうやって保護件数が増えていっているこの状況というか、本当にもう色々な事がぐちゃぐちゃになってきているペット社会(フェレット達の現状)で保護ボラ達は皆パンク寸前ですってお話しを少し聞いて頂こうと思います。

まず、私たちは自分がとる行動の一つ一つを「保護」か「保護じゃない」かの線引きをきちんと付けます。

「保護活動者を名乗れば里子を譲り受けやすくなるから」という考えでそう名乗る人が時々いるようですが、そもそも、保護活動者は通常の里親募集に応募したりしません。

そのお話しはこちら『アニマルホーダー・その予備軍の特徴』等をお読み頂ければと思いますが、私たちは「フェレットを集める」事を目的にしていないし、黙っていてもどんどん増えていってしまう保護っ子たちを確実に次の幸せへと繋げてあげるだけで手一杯なのですよ。

そして、本来であれば、お迎えした子をどうしても手放さなければならなくなった時、新しい幸せへは、お迎えをしたあなたの手で繋げてあげて欲しいと、そこまでが「お迎えした責任」だと私たちは考えています。

だから、その事でお困り事があればいつだってそのお手伝いはしますし、それが「保護活動の一環」として私たちのやるべき事ですからね。

フェレットに限らず動物集めが目的の自称保護ボラがいるせいなのか、はたまた、そもそもの「そこ」をいまいちご理解頂けていないのかは分かりませんが、何でもかんでも保護扱いにして活動者たちに都合よく丸投げするその行為で気の弱い活動者は潰れます。

個人ボラさん達は、私のように「それ、一発目でうち(ボラ)に振ってくる話じゃないでしょ?まずは自分でなんとかしてみて下さい!やってみてダメだったらその時にまた相談してきなさい」みたいに言えない人の方が多いんです。

もちろん、その気持ちを利用しているだとかそんな風には思っていません。

ただ内情を知らないだけなんだと分かっています。

だから今日は、保護を必要とする子がいないペット社会にしていくための活動のはずが、現状の維持、それらの受け皿としての活動だけで、前へ進めなくなってきている今のフェレットの保護ボラ達のリアルな内情(ほんの一部)を聞いて下さい。

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保護活動者が動く時そのお金は誰が負担しているのか?

いたちのおうちは個人様からの里子の引き受けをその活動内容としていません。

「やむを得ない理由がある場合に限り」としています。

ある時、「自分のフォロワーさんでちょっと飼えなくなっちゃった人がいるんです。近かったら自分が引き取るんですけど、距離があるんでそちらでお願いできますか?」って連絡がありました。

「引き取りは構いませんが、交通費や病院代、お引き取りから里子に出すまでにかかる費用は全てあなたかその飼い主さんにご負担頂きますので、その旨ご了承頂いたうえで、ご本人から直接ご連絡下さい。」と伝えたら、それっきりになりました。

あのですね…

例えば、何かを「その地域でしか売っていないから買いに行ってくれる?」って遠方の知人に頼んだとするじゃないですか?

その時、お金を渡さないんですか?

商品代はもちろんのこと、わざわざ行ってもらう交通費や送ってもらうならその送料、頼んだ事に対してかかった実費は、頼んだ側が支払うのは当然ですよね?

それが何でこういう話の時には「お金をとるなんておかしい」ってなるのかが私には全く理解が出来ません。

そもそもそれは「保護活動者の活動ではない」のですよ。

保護でも何でもない「ちょっとお願いします」を片っ端から全部無償で引き受けていたら私たちはあっという間に破産します。

私たちは誰にとっても都合よく動く無償の便利屋ではありません。

頼まれたらそりゃある程度の事はお引き受けしますが、かかるお金の負担はそちらでお願いしますよって当たり前の話しですからね?

そして、お金の話しだけでは無く、保護活動者に「その子を引き取らせる」という事がどういう事なのか、今一度きちんと知っておいて頂かないとなってお話しもさせて頂きます。

保護活動者が動いたらその子は「里子」ではなくなります。でも、保護っ子だからとお金が湧いて出てくる仕組みはありません。

その子については半年以上前からずっと「なんとか一緒にいられるように頑張りたい」と、そのご相談を受けていました。

が、コロナ騒動で日本中がそれまで通りにはいかなくなった丁度その頃、飼い主様の病気が悪化してしまったとして「もうこれ以上は頑張れなくなっちゃいました。うちの子を助けて下さい。」とSOS連絡がありました。

状況が違えば「里親募集のお手伝い」という方法も取れたのですが、外出自粛要請が出ている中で、何かあった時にすぐにその対処ができるわけでもない遥か遠く離れた土地から「どなたか~」等と広く告知をかける事が出来ず、東京の私よりは近いという理由だけで、繋がりのある保護ボラさんに「保護っ子としての引き取り」を委託しました。

先ほど言ったように、本来であればその交通費などかかる経費は全てその飼い主さんにお支払い頂くのですが、手放す理由がご本人の病気療養です。

病気のためにお仕事が出来ない状態であるというお話しはその前から聞いていたので、保護(レスキュー)案件として、それらは全てボラの個人負担になります。

そういう形でボラが動くという事はその子はもう「里子」ではありません。

「保護っ子」として、いったん活動者の所有になり、そこからはその活動者のやり方で次のお家へ行くのです。

円満な里子譲渡であれば「時々は元気な写真を送って欲しい」とか元親さんと里親さんとでのお話し合いなどもありますし私たちもそうなるよう双方が良いように進むお手伝いをさせて頂けますが、その子が「保護っ子」となった以上、私たちがそれらを聞き入れる事はありません。

これが先ほど言った「保護」か「保護じゃないか」の線引きの一つです。

保護活動の名のもとで私たちがそこを曖昧にすると「一般の里親募集」との境目がボヤけて、結果、いい加減な里子譲渡が世の中に増えるのです。

いい加減な里子譲渡のきっかけ作りに自分たちがなるわけにはいかないから、私たちは、「お引き受け=保護」と「里親募集(里子譲渡)のお手伝い=(活動ではあるけどその子は)保護(っ子)じゃない」をとても厳しく線引きしてます。

例えば、所有権放棄届兼誓約書

私たちに託すという事はその子の所有権はスッパリそこで放棄して頂く事になります。

「所有権を放棄したあなたにはその子とは二度と関わらせません。ご納得の上でサインして下さい。」

と、かなり強めの誓約書を取ります。

所有権放棄届兼誓約書

「偉そうにしやがって」とか「大げさにしやがって」とかって言われる事もありますが、私たちは保護活動者です。

そこにいかなる理由があろうとも、お迎えした命に対する終生飼養の義務を果たせず、また、次の幸せへと自身で繋ぐ事も出来ない状況にある元親さんの事情や感情より、そうして手放される「その子のこれから」に寄り添う事が活動主旨です。

その辺りがまだボンヤリしていたあの当時、散々散々、心変わりや色々で「その子の未来の幸せ」を元親側に引っ掻きまわされてきた保護ボラ界での多くの経験があって「こうする事が一番の幸せへの近道」と、そう決まっていった事なので、これはどこの活動者でも最低限の譲れない「必ずしてもらうお約束」です。

そして、「保護っ子だから」という理由でどこかからお金が湧いて出てくるわけではないので、次の幸せに繋がるその日までその子の飼育費用※はずっとボラ達がそれぞれ個人で負担し続けます。

※その費用については、そのままボラが負担するばかりではなく、「里親さん負担」「里親さんと活動者の折半」などなど、それぞれによって違います。

現在、ご自身が里親募集を考えておられる方はこちらを参考にして下さい。

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警察署からの預かりっ子だからってお金が湧いて出てくることはありません

挙げだしたらキリが無いので、コロナ騒動以降の件だけ、ザっとにしますが

ここでもまた「東京よりは近い」という理由で、繋がりのある保護ボラさんにお願いをした子がいます。

千葉県の警察署からお預かりしている子がいます。

埼玉県の警察署からお預かりしている子がいます。

「警察署からの引き取りだから」「保護っ子だから」なんて理由でガソリン代や高速道路の通行料が無料になる仕組みは無いです。

その都度、全額、その時、動いたボラの個人負担です。

私たちは警察署からの預かりっ子を「死なせないため」にいるのです

まず、警察署から預かり委託を受けるという事、また、その期間内の私たちの立場をご理解頂きたいのですが、警察署に届けられた落し物は3か月間は保管しておかなければならない(その期間内の所有権は落とし主にある)と、これは遺失物法で定められている事です。

動物たちも法律上では、この落し物として扱われます。

だから、3か月間は「飼い主さんがいるもの(落とし主さんの所有物)」として、大切に命を預かっていなければいけないのです。

でも、警察署にはそういう施設が整っていないから「 命を繋いでおける所に」として私たちが飼育委託を受けるのです。

その期間内は「誰かの大切な子をお預かりしているだけ」なのですよ。

いくらどんな状態であろうとも、遺棄だと勝手に決めつてはいけないし、飼い主だと名乗る人が出てきて警察署がそうだと判断したら、私たちは「速やかに返さなければいけない」のです。

※対象が「命」という事で警察署でも臨機応変にその期間や色々を対応してくれる事があり、正確には「警察署によって違う」事が多々あります。

実録
拾われたフェレット【拾得物・落し物・遺失物】警察署とのやり取り実録

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「死なせない」とは

「外にいた子」は大体(程度の差はあれ)脱水状態にあります。

マダニをいっぱいつけていた子もいました。

元々なのか外にいたからなのか、ケガをしている子や何かしらの病気の症状が出ている子もいます。

そして、その時には元気で大丈夫そうに見えても2~3日後にいきなり体調を崩す子も多いです。

慣れない外での生活で体力が落ちているところに、あれこれ発症したら、命の危機にすぐ陥ります。

死なせないためにお預かりしているわけですから、「様子見してたら死んじゃいました」は絶対に許されません。

だからとにかく病院代がかかります。

そのお金は「飼い主さん(が出てきた時)に請求できる」権利が一応はありますが、支払われる事はほぼありません。

なんなら「勝手にそんな事しやがって」とキレられる事さえあります。

※私たちが命にかかわる緊急の処置以外を勝手にする事は出来ません。

※金銭のトラブルになりそうな時は一方的にこちらが退かなければいけません。

きちんと、こういう「誓約書」を取り交わしています。

警察署からの動物預かり受託書

全額がボラの個人負担となります。

※その費用については、そのままボラが負担するばかりではなく、「里親さん負担」「里親さんと活動者の折半」などなど、それぞれによって違います。

さて、ここまで「里親さんと~」と何度か書いてきましたが、ちょっと考えてみて下さい。

里親さんを見つけてあげる為に、里親さんがつかない場合…ボラ達が負担しているお金

若くて元気な生体が買える金額以上のお金をだして、正確な年齢さえ分からない子を「お迎えしたい」と思ってくれる人が果たしてどれだけいるのでしょうか?

幸せになれるよう「次のお家に繋げてあげる」事こそが私たちの活動ですので、最初のその金額が理由で「里親さんが見つからない」だけは避けたいのです。

だから例えば、副腎グレーの子をお嫁に出す時には「この子はもう直に副腎疾患の治療を始めなければいけなくなるでしょう。だからここから先はお願いします」って、それまでのお金は全額をボラが個人で負担したままだったりするのです。

最初の健康診断はもちろんの事、里子としてお渡しする子にはワクチン接種や時期によってはフィラリアのお薬もあります。

どんなに健康状態が良くてほとんど医療費がかからなかった子でも2万円を下回る事はありません。

「お願いします」さえ、その理由になってしまうその時には…

保管期間内は命にかかわる緊急の処置以外をする事は出来ないので、例えば、歯茎が腐って膿の臭いがしていようとも、「今すぐそれをしなければ死んでしまいます」という獣医さんの判断がなければ、「とりあえずの治療(炎症を抑えたりする程度)」しかしてあげる事が出来ません。

でもそれは、抜歯をして根本的な治療をしてあげなければ「治る」ものでは無かったりします。

「~というわけなので、後はよろしくお願いします」と、全身麻酔をかけての大きな手術を「これからずっと一緒にいるためには絶対にしなければならない」と分かっている子を里子でお迎えしようと考えてくれる人は一体どれだけいるのでしょうか?

お迎えしたと同時に2~30万円は軽く吹っ飛ぶ計算です。

それだけのお金があれば、若くて元気な子が何匹もお迎えできてしまいます。

最初にも書きましたが、私たちはフェレットを集めているわけでは無いし、それどころか、皆それぞれのキャパがあるので、どんどん手元にフェレットが増えていってしまっては活動どころか(金銭的にも時間的にも)生活すら出来なくなります。

だから、保管期間が満了と同時にそのお金は自分の負担にしてでも手術を受けさせてあげて、元気な状態にしてあげてから里親さんにお繋ぎしたりするのです。

それでも、どうしても里親さんに繋がらない子もいます。

そういう時、ボラさん達は「うちの子になる運命だったんだね」って言います…

まとめ

今日もまた、ちょっとダラダラ長くなってしまいましたが、これでもほんの一部です。

ほんの一部ではあるのですが、今日あげたお話しは全部、「いたちのおうち」から「お願いします」って、わずかこの数ヶ月の間の子達のお話しです。

何度も出てきた「ボラの個人負担になります」が、もうとんでも無い金額になっている事をお分かり頂けますでしょうか?

個人ボラさんの中には貯金を切り崩して保護活動にあたっておられる方もいます。

知り合ってからもう100万円以上を保護っ子達に費やしておられる方もいます。

当たり前に「このペースでいくとちょっともう…」です。

いたちのおうちから「お願いします」がもう言えなくなってきているのです。

これまでは「出来る人が出来る事をやれば良い」で何とか回してきたフェレットの保護活動はもうそれでは追い付かないんです。

私はペットショップを批判するつもりはありません。

むしろ『ペットショップいらない!ブリーダーにしましょう!は誰が何を基準に言っているのか?ペットショップは諸悪の根源説をぶった切る!』とまで言い切る擁護派です。

ただ、「コロナにより儲かってる業種」(そのまま検索すればそれ系のサイトがワンサカ出てきます)にペットショップがあがるようになってからの保護件数は、この20数年間、見てきた中で群を抜いて異常な数です。

それだけ大変な状況になっているのです。

一番は、目指しているのは、そういう子が出ないペット社会です。

ただ、今、目の前に、手を差し伸べないと死んでしまう子達がいる以上、どうかご協力をお願いいたします。

いたちのおうちの口座(イタチノオウチ)

ゆうちょ銀行

記号:10110

番号:58217451

他金融機関からお振込み頂く際には

店名:0一八(読み:ゼロイチハチ)

店番:018

普通預金

口座番号:5821745

すでにご支援頂いている分も合わせ、月末までにご報告させて頂きます。

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